在来工法について
木造軸組工法は日本で古くから行われている建築工法で、構造部材に木材を用い、主に柱と梁で構成される工法です。建物の重量や雪等の垂直荷重は、柱や梁などの軸組が耐力を分担します。そして、地震や風などの水平荷重は、壁内部 に斜めの材(筋かい)を入れ、壁を面にすることによって強くさせます。
最近では、釘や金具等を用いた工法の簡略化や、建物の強度性能を高めることが一般的となっています。この工法では非常に多くの種類の部材が使われ、弊社が採用するAPS工法はこれに含まれます。
木造住宅の工法は一般的に木造軸組工法(在来工法)、枠組壁工法(ツーバイフォー工法)、丸太組工法(ログハウス)、プレハブ工法、ユニット工法などがあります。これらの分類方法は、住宅がどのような構造で建てられるのかといった面に着目して分類されています。
木造軸組工法住宅では、柱、梁、桁、土台などの骨組みを組み立て、この骨組みが家全体を支える「駆体」となります。枠組壁工法住宅では、断面が38㎜×89㎜の部材で作った枠に構造用合板と呼ばれる丈夫な合板を釘で打ち付けて作成したパネルを組み合わせて建てます。丸太組工法では、丸太又は角材を積み上げて家を建てます。
また、プレハブ工法は、住宅を構成する部材をあらかじめ工場で作成し、建築現場ではそれらの部材を組み立てます。ユニット工法では、プレハブ部工法よりもさらに工場における完成度が高く、部屋単位や階段など部位単位に工場で作成し、建築現場ではそれらをクレーン等を用いて組み合わせます。
このような大きな分類での住宅建築工法以外にも、近年では、住宅メーカーなどが独自に開発したと思われる○○工法住宅といったものが多くみられるようになってきました。これらの住宅は、それぞれに特徴があり、接合部に新たに開発された金物を用いることによって施工性を高めると同時に接合部の強度を高めるもの(弊社のAPS工法はこの分類です)、さらに、床や壁に断熱材を組み込んだ合板を用いることによって、施工性を高め、壁や床の強度を確保しつつ、高気密、高断熱への対応しているものもあります。
これらの○○工法住宅の中には、(財)日本住宅・木材技術センターの木造住宅合理化システムに認定されているものもあります。
この認定を受けるメリットは、新たな工法や技術を盛り込んだ住宅は認定されることによって、関係機関に周知されることから、円滑な住宅供給が可能になります。
結論は、木造軸組工法住宅が他の工法の住宅に比べ地震に弱いということはありません。平成七年一月の「阪神・淡路大震災」では、21万戸にのぼる家屋の全半壊が発生しましたが、林野庁と建設省住宅局は共同で調査した報告書によると
・昭和56年に改正された現行の耐震基準に基づき適切な施工管理が行われたと思われる住宅等は、外見上は、被害がないか又は被害が軽微にとどまっているものがほとんどであった。
・比較的新しい木造住宅であっても、水平方向の力に対抗するための耐力壁の絶対量が少ない住宅や、二階建集合住宅、店舗併用住宅等で耐力壁が不均衡に配置されているもの等に大きな被害が発生している。とのことでした。
・鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物であっても大きな被害を被ったのですが、数的に古い木造住宅が圧倒的に多かったので被害が目立ち、大きく報道されたことから、木造住宅が地震に対し弱いというイメージを持たれたのかもしれません。しかし報告書では、
[1]妥当な構造計画
[2]適切な材料の選定及び使用方法の認識
[3]適切な施工管理及び工事監理
[4]十分な維持管理・修繕
をすることによって木造住宅の耐震性を確保することができるとしています。耐震性については構造の種類よりも、建て方に十分配慮することが重要と言えます。
2×4工法は日本で建てられ始めたのは昭和50年代に入ってからであり、新しい工法なので使用する木材の規格等が法律により定められています。
またこの時には建築基準法も改正されており、平成7年1月に起きた阪神・淡路大震災では、新基準で建てられた木造軸組工法住宅と同じように被害は軽微なものでした。
2×4工法住宅は古い木造軸組工法住宅より地震に強いと言うことができるかもしれません。しかし、昭和56年以降に建てられた木造軸組工法住宅と比較した場合、どちらも地震に強くなっているといえます。弊社が採用する木造軸組みAPS工法は木材接合部を金物で補強する事でさらに進化しています。