賢い土地選び6Point
土地探しを不動産屋さんに聞くのは当たり前。但し自分の希望地域や面積・予算を伝えるだけではなく、『建築条件無し』や『整形地希望』なども伝えましょう。
仲介専門の不動産屋さんの営業マンはほとんどがフルコミッションです。
つまり、早く高額収入になる物件を優先で売りたいのです。
そのため、新築建売→中古戸建→建築条件付土地→建築条件無しの土地の順番で紹介される事が多いです。
また建築会社系の不動産屋さんは勿論ですが、どの不動産屋さんも提携先の建築会社の受注を前提としてアプローチをしてきますから、予め『その業者さんだけではなく、色々な工務店を自分で選びたい』と伝えておくほうが良いでしょう。
不動産の価格はそれぞれの地域に相場があるので、その物件だけが特別に安いなんていうことはまず無いと思いましょう。
(稀には、売主側に何か売り急がなくてはならない事情があるケースもありますから一概には言えませんが・・・。)
面積に対して坪単価が相場より安い場合には、『専用通路が長い・傾斜地・高台・建物が建てられない土地の部分が多い』など、必ずそれなりの理由がある筈です。
『所有者から直接土地を購入する等』の何か特別の関係が無ければ、周辺の相場より極端に安い物件は、その理由が何かを必ず確かめましょう。
また新聞折込広告などの目玉物件は、スーパーのチラシと同じで『客寄せ用』の物件だと認識しましょう。
必ず別に本命物件を紹介されますから、それは予め承知しておきましょう。
一般的には四角い土地(整形地)が一番評価の高い土地の形です。それに対し専用通路を含んだ旗型の土地は評価が下がります。(道路からの給排水接続工事が割高になったり、通常の経費に小運搬費用などが加算されますから。)
しかし、それはあくまでも一般的な基準であって、ご自分の生活プランにおける優先順位が何かによっては、必ずしもそれが悪いとは言えなくなります。
例えば駐車スペースとして2台確保したい場合などは、通路部分を駐車場として利用する事で残る土地が整形地となる訳ですから、建物の設計やデザインを綺麗に収めることが出来ます。(隣地も同様の幅で専用通路が並んでいて境界にフェンスやブロックが無ければ、玄関までのアプローチは開放感の溢れるエントランスになりますよ。)
専用通路の物件であっても、接道面の幅が2.5m以上あって、(法律上では2m以上の接道幅があればいいのですが、ドアを開ける部分の余裕を考えると2.5m以上あると使い易いと思います。)整形地迄の距離が10m位であれば、充分候補として考えても良いでしょう。
建築可能な土地には都市計画による用途地域が設定されており、それぞれのエリアごとに建蔽率・容積率・防火指定など建物の建築に制限があります。更には道路斜線・北側斜線など空中の部分にも建てられないエリアが存在する事を知っておきましょう。
土地面積が大きくてもご希望の建坪が建てられない場合もありますから、必ず事前の確認をしておきましょう。
建築条件付の土地でも、中には『条件はずし可能』と言う物件もあります。
気に入った土地であれば不動産屋さんに一応聞いてみるのも良いでしょう。
但しその場合、条件を外す事で土地代が100万円~300万円高くなることを覚悟しておきましょう。
それでもその土地が気に入っていると思えれば、決断しても良いでしょう。
また、『売り地』となっていても『古家付・現状渡し』と言う物件が多くあります。
販売価格に解体費を加算しなければならない事を知っておきましょう。
ほとんどのお客様は休日にご家族揃って物件を見に行きますが、その日だけで決めてしまうのは後悔する最大の原因になります。
休日に見て気に入った物件は、必ず奥様だけでも再度平日に見に行ってください。
休日には稼動していなかった近くの会社や工場・作業所等の騒音状況や、車の交通量がどうなのか等を確かめておくべきです。
更に、最寄り駅やバス停からの帰宅経路に外灯はあるかなど、出来れば夜間も含めて普段の生活が行われている時間帯を2回位は見ておくべきでしょう。
何故なら、平日の雰囲気がご自身やご家族のフィーリングと合うのかどうかと言う事が、実はデータで選ぶより大事なポイントだからです。
後悔しない為にも、出来るだけ曜日や時間帯別に物件の“顔”を見ておきたいですね.
ここまでは『物件を慎重に選ぶように!』と申し上げてまいりましたが、『これは!』と言う物件に出会ったら、そこからはスピードアップした行動にチェンジしましょう。
何故なら不動産物件は週末に動きます。モタモタしているとせっかく『運命の出逢い…』と思った物件を他の方に買われてしまいます。
まずは物件を押さえる為に、不動産屋さんに『購入申込書』を提出しましょう。
売主や業者によっては契約優先(つまり、先に申込みがあっても現金を持って買いに来る人がいたらそちらを優先とする事)のところもありますが、おおむね購入申込書を出してきた順番で対応しています。※ところが最近では住宅ローン審査が厳しくなったために、『借入のメドがたってから(住宅ローンの事前審査が通ってから)購入申し込みを受け付ける』と言う不動産業者が増えて来ました。
予め銀行の事前審査に必要な書類関係(源泉徴収書や確定申告書など収入の証明・保険証や運転免許証の写しなど)を準備しておいて、1日でも早く審査が下りる様に行動される事が大事だと思います。
この場合の住宅ローンの事前審査申込みに関しても、不動産業者主導で進める事には注意しましょう。
住宅ローン自体銀行に依って融資内容が大きく違います。選択した銀行次第で自己資金がある人と無い人では大きくその影響が出てしまいます。
事前審査の申込みをする前に、不動産業者にそれぞれの銀行ごとに住宅ローンの特性(ローンの対象となる項目・実行回数など)を確認して選択した方が良いでしょう。
事前審査では個人情報機関にデータ照会をするのですが、同時期に何行からも審査申し込みが送られてくると『ローンの通らない注意人物』という判断をされてしまう場合があります。そうならないために同時期の申込みは3行程度迄が良いでしょう。
購入申込みは『買う』という意思表示なので、
① いつ、いくらで契約するか
② いくら手付金を払うか
などを記載する必要あります。
購入申込み受付から契約予定日までは1週間位が一般的です。
手付金の額は購入金額によりますが、売主が了解する範囲として50万円から100万円が相場です。(価格の5%位を言われる所もあります。)もちろん手付金は決済時に購入金額からは差し引かれます。
ご注意頂くのは、購入申込時から契約日までは1円も支払ったり預けたりする必要はありません。もしお金を要求するような不動産業者だったら注意しましょう。
その業者がその物件の売主か専任媒介業者でない限り、同じ物件を他の業者から購入することは可能ですから、別のルートでの購入を検討した方が良いかもしれません。
また、事前審査が後の場合は、契約に際して手付金を払って土地売買契約を締結しても、ローン特約条項を付けておく事で、万が一住宅ローンが成立しなかった場合は白紙となり手付金は戻ってきます。
また、契約締結後売主が一方的に契約を解除してくる場合は手付金倍返しとなります。
以上が、賢く土地探しをするために知っておくと便利なポイントです。