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住宅ローン利用の予備知識


皆さんが住宅ローンの利用を考える際に、月々の返済額や返済期間を考える事はあっても意外と『自分がどれ位の借入れが出来るか』という事は知らないものです。思っていたより高額の借入枠が可能だったり、まったく借入が出来ない原因があったりと、結果は必ずしも想像とは違う場合があります。
いざ利用しようという時にあわてなくてもいいように、ある程度住宅ローンについて知っておくといいでしょう。

住宅ローンという商品は金融機関によって固定金利や変動金利の135年など様々ですが、ほとんどのケースは各金融機関に付いている保証会社が融資を行います。この場合は保証会社が個人信用情報を調査し、その他の条件を勘案して融資可能かどうかの判断を行います。金利自体は低く設定されますが借入れ時に保証金が発生します。保証金は一括支払と毎月に金利に含む形で分割支払する二種類の方法があります。
また一方、銀行が直接貸付けるプロパー融資があります。この場合の金利は住宅ローンとあまり変わりませんが、保証金が無い代わりに自己資金や個人資産、連帯保証人など必要条件が厳しくなります。プロパー融資は銀行によって積極的に行うところとそうでないところがあります。
通常、年収400万円以上で勤続1年以上のサラリーマンで他に借入れが無ければ保証会社の融資を受ける事ができます。
また、住宅ローンは土地・建物に対して融資されますが、土地取得にだけ適用する事は出来ません。建築までの時間差があったとしてもかならず建築費を含んだ額の融資となります。(建築までの時間差は銀行によって異なり、1年以内から4年以内までと様々です。)従って土地取得を行う時点で現実には建築会社が決まっていなくても、融資のためには建築会社の請負契約書と見積書が必要になります。
 
次に融資の契約が終わって実行の段階になりますが、金融機関によって融資実行のパターンは様々です。
① 建物完成時1回のみ
② 時期は問わず1回のみ
③ 契約・上棟・竣工など複数回可能
等です。
① の場合は不動産手数料の支払や建築会社への着手金・中間金の支払が発生するならば住宅ローン契約の後『つなぎ融資』のローンを組む事になります。最終建物完成時に住宅ローンの融資実行が行われ、つなぎ融資を返済する事になります。
② の場合は最初に融資実行をしてご自身の口座に管理しておけます。
また、返済可能年数は現在ほとんどの金融機関で満80歳未満までが可能です。

審査基準は金融機関によって若干異なりますが、
① 返済比率が適正な範囲内であるか?
② 個人信用情報に問題が無いか?
③ 健康に問題が無いか?
がポイントになります。
① に関しては次の借入れ枠の判断でご説明します。
② は、個人情報保護法が制定されてから個人情報の取扱いが厳しくなると同時に金融機関が加盟している4箇所の個人信用情報センターがそれぞれの情報を共有するようになり、1箇所の金融機関で事故を起こすと全ての情報機関が『OUT』の回答を出すよう厳しくなりました。事故情報の内容は遅延・延滞から債務整理・自己破産など様々ですが、債務が解決した後も一般的には7年間は事故情報が消えず、その間のクレジットやローンが組めなくなります。個人信用情報センターのデータは自己情報を送った金融機関から事故無しのデータが更新されない限り誰も消す事が出来ません。場合によっては債務が解決した後7年を経過しても、金融機関が契約中扱いとしたり、データ更新を怠った場合は永遠と事故情報が残る事になります。
まず、思い当たる方は、個人信用情報センターへ行ってご自身の情報を確認する事をお勧めします。
③ の健康に関しては、住宅ローン契約と同時に団体信用生命保険への加入義務が条件となります。万が一返済期間中に死亡する事態となっても返済残金が保険で支払われるという制度です。この加入審査は自己申告による申込書類提出の後、保険会社から調査が入ります。通院を要する持病を持っていたり、過去3年以内に高額の保険金を受け取るような病気や入院をしていた場合、団体信用生命保険が『否決』されローン自体が『不可』となる事もあります。

借入額を考えるときに必要な事は『いくら借りるか』ではなく『いくら借りられる中でいくら借りるか』です。その枠を決める最大の関門は返済比率です。
返済比率とは『年収における月々の返済が何%か?』という事で、この率が年収400万未満の方は30%以下400万以上の方は40%以下であれば審査合格となります。金利計算機能付電卓があれば誰でも簡単に計算できます。(銀行によって審査基準の%は異なります)
但し、この場合は通常の借入利息(現在の基準金利)ではなく年率4%として借入金額と返済月数で割出された値に12を掛けて年収で割ったときの%を指します。(金融機関によっては3.5%のところもあります)
*例えば年収450万円の方が3000万円の借入を35年ローンで借りようと考えた場合。
A銀行利用の場合
30,000,000×〔年率4%〕×420ヶ月〕= 132,833 ×12÷〔年収4,500,000× % = 35.42
で不合格ですが、
B銀行利用の場合
30,000,000×〔年率3.5%〕×420ヶ月〕= 123,988 ×12÷〔年収4,500,000× % = 33,06
で合格となります。
以上大まかではありますが、住宅ローンを利用する前に知っておくポイントです。
いざというときになってあわてないように、事前に金融機関にご相談されては、いかがですか?